vol.2 ちょっとした意識でも運動効果があります
など様々な理由で、運動をあまり行えていない方は多くいらっしゃるかと思います。 |
厚生労働省が設けている運動習慣者の定義では、一回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続していることとされています。
実際に、平成29年の調査では運動を習慣的に行えている50歳代の方は、男性で27%、女性で24%と低く、特に20・30歳代の働き世代・子育て世代では15%未満にとどまっており、運動を継続的に行うことがいかに難しいかが問題となっています。
その解決法として、運動をやるぞ!となると非常に敷居が高くなってしまいますので、何かスポーツや運動を始めるのではなく、日常生活における身体活動量を増やすことを意識してください。これをスモールチェンジアプローチと言います。日常生活の中でわずかに行える活動に注目した行動変容技法です。実行・維持しやすいのが特徴です。
例えば
- 歩くときはだらだら歩くのではなく、意識してシャキシャキと少しスピードアップで歩く
- 駅や会社では、できるだけ階段を使う
- 電車の中ではすぐに座らず、立っている
- ダイエットのためではなく、健康管理のために毎日体重計に乗る
などです。
また、ウォーキングによる中性脂肪への効果は、例えば30分連続して行った場合と、3分を10回に分けて行った場合では、ほとんど変らないことも科学的に証明されています。
無理しない範囲で、小さなことから意識して始めてみましょう!「三日坊主」は何回続けても良いです。
【コラムの執筆】 |
日本学術振興会特別研究員を経て、2009年早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教、2013年奈良女子大学文学部人間科学科スポーツ科学コース准教授となり、2014年より現職。スポーツ心理学・認知神経科学を専門とし、運動中の感覚認知メカニズム等について研究を進めるとともに、指導や講演にも従事。 |