vol.9 運動をしてストレスホルモンを分解しよう

運動をしてストレスホルモンを分解しよう 運動をすると気分がスッキリした経験はありませんか?
私たちがストレスを感じる時、体の中でコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールが体内に多くありすぎると、疲労感が多くなったり、うつ症状になったり、高血圧や免疫力低下など身体にも影響を及ぼします。

1998年にイギリスの科学雑誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」から発表されたカナダのマギル大学の論文では、高齢者を対象とし、コルチゾールの分泌量が多い群と普通の群に分け、脳部位の様々な大きさを比較検討しました。

その結果、コルチゾールの分泌量が多かった群では、普通の群よりも海馬容量が14%減少していました。海馬は記憶に関係する最も大切な脳部位の一つで、日常生活のできごとや覚えたことを蓄える、いわば記憶の一時貯蔵庫の働きをしています。

この研究論文を踏まえますと、ストレスを日々抱え、コルチゾールの分泌量が多い方は、海馬の萎縮が進み、記憶障害を起こすリスクが高くなってしまいます。

運動をしてストレスホルモンを分解しようしかし、運動をするとコルチゾールの分解が促され、体内のストレスホルモンを減らすことができます。ストレスの軽減を目的とした運動のポイントは、①競争しない、②自分でペースを管理する、③「ちょっときついくらい」の中強度、④ある程度、規則的な頻度で実施することです。

特に「このスポーツ種目がストレスに効く」というものはなく、有酸素運動、球技、ダンス系、ヨガ系、どのスポーツでも効果があります。たった3分間のストレッチを行うだけでも、コルチゾールの分泌量が減るという研究も報告されています。

まずは、ご自身が好きな種目、やりやすい種目から始め、無理のない範囲で身体を動かしてみましょう! 


【コラムの執筆】
奈良女子大学 中田大貴先生
中田大貴先生
奈良女子大学 研究院生活環境科学系スポーツ健康科学領域 准教授 博士(理学)

日本学術振興会特別研究員を経て、2009年早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教、2013年奈良女子大学文学部人間科学科スポーツ科学コース准教授となり、2014年より現職。スポーツ心理学・認知神経科学を専門とし、運動中の感覚認知メカニズム等について研究を進めるとともに、指導や講演にも従事。

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